リスボン(ポルトガル語: Lisboa IPA: [ɫiʒˈboɐ] ( 音声ファイル)、[liʒˈβoɐ] リジュボア、英語: Lisbon IPA: [ˈlɪzbən])は、ポルトガルの首都で同国最大の都市である。市域人口は54万7,631人を擁し、市域面積は84.8平方キロメートル(33平方マイル)に過ぎないが、そのぶん高い人口密度を保持している。リスボンの都市的地域は行政区としての市域を越えて広がっており、人口は300万人を超え、面積は958平方キロメートル(370平方マイル)を占めており、欧州連合域内では11番目に大きな都市圏 (en) を形成している。約303万5,000人 の人々がリスボン都市圏に暮らし、ポルトガルの全人口の約27パーセントを占めている。リスボンはヨーロッパの大都市ではもっとも西にある都市であると同時に、ヨーロッパの中でもっとも西側に位置する政府首都でもある。ヨーロッパ諸国の首都のなかで唯一の大西洋岸にあるリスボンは、イベリア半島の西側、テージョ川の河畔に位置している。リスボンは金融や商業、出版、娯楽、芸術、貿易、教育、観光といったさまざまな分野で重要な都市であることから、世界都市とみなされている。ポルテラ空港は2012年に1,530万人の旅客を扱い、高速道路(Auto-estrada)や高速列車アルファ・ペンドゥラールによりポルトガルのほかの主要都市と結ばれている。南ヨーロッパではイスタンブール、ローマ、バルセロナ、マドリード、アテネ、ミラノに次いで7番目に多くの観光客が訪れる都市で、2009年には174万人の観光客が訪れた。リスボンの総所得は世界の都市で32番目に高い位置を占めている 。ポルトガルの多国籍企業の本社はほとんどがリスボン地域に置かれており、世界では9番目に多くの国際会議が開かれる都市でもある。また、ポルトガルの政治の中心でポルトガル政府の首府やポルトガルの大統領官邸が置かれているほか、リスボン地域やリスボン県の中心でもある。世界的にも古い歴史がある都市の一つで、西ヨーロッパでは最古の都市であり、現代のヨーロッパのほかの首都であるロンドンやパリ、ローマなどよりも数百年さかのぼる。ガイウス・ユリウス・カエサルはフェリキタス・ユリア(Felicitas Julia)と呼ばれるムニキピウムを創建し、オリピソ(Olissipo)の名に加えた。5世紀から一連のゲルマン人部族により支配され、8世紀にはムーア人により攻略された。1147年、ポルトガル王国の建国者アフォンソ1世下のレコンキスタでのリスボン攻防戦で、ポルトガルはムーア人からリスボンを奪回する。以来、リスボンはポルトガルの主要な政治、経済、文化の中心となっている。ほとんどの首都と異なり、リスボンのポルトガルの首都としての地位は法令や書面の形式では公式に認められたり確認されたりしていない。首都としての地位は憲法制定会議を通じて事実上の首都としてポルトガルの憲法に定められている。リスボンには欧州薬物・薬物依存監視センター(EMCDDA)と欧州海上保安機関(EMSA)の2つの欧州連合の専門機関が置かれている。「ルゾフォニアの世界の首都」と呼ばれ、ポルトガル語諸国共同体の本部がペナフィエル伯宮殿に置かれている。ベレンの塔とジェロニモス修道院の2つはUNESCOの世界遺産に登録されている。さらに1994年、リスボンは欧州文化首都になり、1998年にはリスボン国際博覧会が開催された。